ステップ1:ブランドにとっての大切な Micro-Momentsを正しく見極め逃さないこと。
 ステップ2:Micro-Moments における生活者の「意図」を汲んだうえで、「最適な情報」を「最適なタイミング」で届けること。
 ステップ3:Micro-Moments を活かす施策の効果測定を行うこと。

 この3点は、たとえマーケティング目的が何であろうとも、普遍的である。ここからは、Micro-Momentsを活かしたマーケティングについて、購買ファネル上の目的に沿って、上記3ステップを実践するための具体的なソリューションを見ていこう。

ステップ1:Micro-Momentsを活かして認知を獲得し検討を促す

 ブランドコンテンツや広告を見たあとの行動をスマートフォンとテレビで比較した調査によれば、企業のウェブサイトへの訪問経験、購入、クチコミ、好意度形成、動画の共有などにおいて、スマートフォンがテレビを上回っており、特に「共有」については実にテレビの約4倍という結果が得られた(注2)。これは、極めてパーソナルなデバイスであるスマートフォンが、ブランドメッセージを伝え、個人の行動を促す可能性が高いことを示している。

 このような結果を得るには、単にスマートフォンを使えばいいというわけではなく、やるべきことが大きく 3 つある。

1) まずはブランドメッセージのインパクトを確保する。これには第7回で紹介した 3H (Hero, Hub, Help)コンテンツストラテジーをスマートフォンにおいても活用し、クリエイティブもスマートフォン環境にいる生活者の状況に合わせることが効果的である。
2) 日常生活の中で膨大に発生している Micro-Moments を捉えるための幅広いリーチを獲得する施策を行う。
3) Micro-Moments を的確に捉えるための生活者のコンテキストを正しく把握する。

 具体的には、オーディエンス、コンテンツ、ローケーション、そしてリマーケティングなどの豊富なターゲティング機能の活用により、幅広く個々の生活者のMicro-Momentsをつかむことが重要である。このような施策の効果を見極めるには、同じく第7回で紹介した広告想起率やブランド認知度の測定、検索上昇率の測定手法の活用が効果的である。