1) まずは、生活者にとってシンプルで分かりやすく、生活者のニーズにしっかりと応える品質の高いアプリであること。
2) 簡潔なコンバージョンフローを実現していること。例えば、実際に何かアプリで買おうしたタイミングで、入力情報が多ければユーザーが離脱してしまう。
3) ディープリンク等のリテンション施策を活用し、生活者をできるかぎりアプリに誘導し、アプリですぐに対応できるよう、生活者を引きつけて定着させる策が施されていること。
一方で、せっかく高品質のアプリを作っても、インストールされなければリレーションシップ強化にはつながらない。インストール促進のためのアプリプロモーションにおいてもまた、Micro-Moments が重要になってくる。実際に 75%の生活者が、アプリをダウンロードする前に何らかの検索や比較を行っている。
生活者との接点である掲載面(検索結果画面、アプリ閲覧、ウェブ閲覧、動画視聴など)でのアプリプロモーションも、大切なアクションである。そしてアプリの効果を見極めるには、アプリのCPI(1インストールにかかるコスト)とともに、アプリによって実現するLTVの両方を継続的にみていくことが重要である。
以上のように、スマートフォンの普及によってMicro-Moments が格段に増えており、それを的確にとらえることが、そのブランドの成功の鍵の1つを握るようになってきた。モバイルマーケティングに取り組んでいる企業は多々あれど、なかなか成功の糸口が掴めないということもたびたび耳にする。今一度、「生活者のMicro-Moments を正しく見極め、最大限に活かすことができているか」という観点で、マーケティング施策を見直してみてはいかがだろうか。
以下にMicro-Momentsのビデオを紹介する。ご参考になれば幸いである。
(つづく)
*次回は7月3日(金)公開予定
【注】
(1)Criteo調べ http://japan.cnet.com/marketers/news/35058049/
(2)Think with Google, Why Online Video Is a Must-Have for Your Mobile Marketing Strategy, 2015 April
(3)グーグル調べ
(4)Understanding Shopping Cart Abandonment(ショッピング カートの放棄に関する分析)Forrester Research 2010年5月
(5)Google/Compete によるスポーツ用品に関する調査:(2011年9月~2012年9月)クリックストリーム BF02(アクセスしたブランドの数)
(6)モバイルサイト設計の指針:https://www.google.co.jp/think/multiscreen/whitepaper-sitedesign.html
(7) Mail Online 2014, ComScore stats 2014
【連載バックナンバー】
第1回:デジタルテクノロジーによってマーケティングはどう変わるか
第2回:記録と記憶は異なる――大きく変化する生活者の日常を捉える
第3回:これからの生活者分析――人々の行動を基点に生活者を理解する
第4回:生活者はどうやって検索しているのか?商品を選ぶ「兆し」をつかむ
第5回:コンサンプションからエンゲージメントへ――新しい情報・コンテンツ発信のカタチ
第6回:ターゲティングはマーケティングの活動の羅針盤――グーグルで現在進行中の実験
第7回:ブランドが発信すべきは、コンテンツ。グーグルが活用する「3Hストラテジー」とは?