Dynamics 365とPower BIで、転職メディアのインサイドセールスを実現

パーソルキャリア メディア事業本部 転職メディア事業部 メディアBITA部 転職メディアBITAグループ 田中 進氏

 次に人材サービス業界からパーソルキャリアの事例が紹介された。同社転職メディア事業部でB2Bマーケティングや営業領域のシステムを担当する田中 進氏は、営業領域でのDX推進とインサイドセールス運用改善の取り組みを紹介。

 いずれもDynamics 365を導入し、クラウドをフル活用したものだ。インサイドセールスの運用ではPower BIでデータを可視化。いずれも現場の課題をしっかりと把握して、エンドユーザーとの垣根を取り払い、一緒に開発を進めることがポイントだ。

 かつての転職メディア事業では、複数の基幹システムとExcel帳票で運用していたが、2016年にDynamics 365を導入し、SFA(Sales Force Automation)によるデータ運用を開始した。これにより全社で蓄積した顧客単位の情報をシームレスに見られるようになったという。

「データ蓄積後に、それらを十分に活用すべく、マーケティングと営業をつなぐインサイドセールスのシステムを1カ月でリリースしました。Dynamics 365だから短納期で開発できたと思います。その後蓄積されたデータを元にPower BIでKPIの可視化を行いました。」(田中氏)。

 もちろんDynamics 365でもデータの可視化はできるが、Power BIを使うとデータの意図が見えやすくなる。インサイドセールスのKPIとなる、どれだけ電話して案件を受けたのか、見込み顧客にアポが取れたのか、といったことが一目で分かる。さらに現在、機械学習の機能を活用し、アポが取れそうな顧客リストを自動的に洗い出す仕組みも開発中だ。

「Dynamics 365のデータと、Power BIでリッチに分析し、主要KPIをチェックしたうえでセールス改善活動を行っています。多彩な分析や顧客獲得リストを見ながらプロセスのサイクルを回して、デジタルフィードバックループを実現できます」(田中氏)。

 結果的にアポ獲得率は右肩上がりで勢いよく伸びた。個人成果も可視化され、目標達成や生産性向上に寄与できるようになった。ヒアリング内容も均一化され、ホットリードを営業部に渡せるようになったという。