デジタル変革時代にイノベーションのプロセスをどう回すか?

 本セミナーのトリを取ったのは、あいおいニッセイ同和損害保険 経営企画部 プロジェクト推進グループ 担当部長の矢野高史氏だ。同社は2016年からICTによるデジタル化を推進し、いまは変革準備期の段階に入ったという。ここで重要な点はデジタル化のアプローチと活用ノウハウ、余力創出、社員教育、制度改革などで、その後にデジタルイノベーションを起こす意向だ。

あいおいニッセイ同和損害保険 経営企画部 プロジェクト推進グループ 担当部長 矢野高史氏

 デジタル化のアプローチは、ビジネスとして、どうやってツールを活用していくかということに帰結する。新しいツールの発掘→実証実験(PoC)→導入展開→利用促進(意識向上)→効果発動のサイクルを回すことが重要だ。

「PoCでは、できるだけ時間とコストをかけないことがポイントです。導入展開は経営企画、IT部門、ユーザー部門などの役割分担が重要で、場合によって営業店など現場にも協力してもらいます。ツール利用を促進するには、人材やアンバサダーの育成が必要です。いくら良いツールでも、上手く使いこなせなければ意味がありません」(矢野氏)。

 同社では、Dynamics 365を単純な顧客の管理だけでなく、業務や案件の管理などさまざまな業務を改革するためのツールとして活用している。そのうえで、ツールを導入して終わりというのではなく、ツールを活用する人を育てるという観点で、部内で開発できる人材の育成に注力している。最後に矢野氏は、デジタル変革時代において、イノベーションプロセスを回すヒントについて触れた。

 矢野氏は「プロセスを回す上ではリソースの使いどころがポイントになります。社内の経営企画、IT部門、ユーザー部門が、それぞれ導入展開で役割を果たすことが重要です。一方でソリューションベンダー、システムインテグレーター、コンサルファームにも協力してもらっています。それぞれのリソースをバランス良く配分していくことが大切になるでしょう」とまとめた。

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