●言いにくいことを伝えるには、とにかく準備が大事

 難しい話が楽しいことはない。しかし準備をすることで、生産的にすることならできる。

 自分の動機を明確化することから始めよう。会話をすることで、あなたと相手、他の関係者のために何を達成しようとしているのか。自分の目的がわかっていれば、感情が高ぶってもミーティングを予定通り、上手に進めることができる。

 次に、自分の見解を裏づける事実を集めよう。たとえば、昇給を求める話をする際には、現在のポジションに就いている間に自分がどのように成長したかを書き出す。誰かに厳しいフィードバックを与えるときは、相手の仕事ぶりや振る舞いの例を挙げる。自分の見解を擁護できるように準備して、いかにしてその見解に至ったかを説明する。

 そして、相手に関して自身が伝えようとしている話のすべてを熟考する。自分の昇給の申し出を受け入れたり拒否したりできるため、上司のことを「敵」と見なしているのだろうか。上司が会話の中でどのような懸念を示すか予想し、自分がどのように受け答えするかをあらかじめ用意しておくとよい。

邦訳:ジョゼフ・グレニー「解雇や処分を言い渡す前にやっておくべき4つの準備」


 ●職場に「健全な基準」を設ける

 部下が「いつも忙しい」「忙しくて息をつく暇もない」と感じると、創造性や意欲、仕事の満足度が低下する。マネジャーはチームのために、みずから率先して「健全な基準」を築く必要がある。次に挙げることを試してほしい。

・模範を示す:マネジャーがランチ休憩を取ったり、定時で退社したり、柔軟に働く姿を見せる。そして、メールやその他のメッセージを深夜に送らないこと。部下に、昼夜かかわらず働けと言っているに等しいからだ。

・予備の時間を計画に入れる:ある調査によると、我々は仕事にかかる時間について、楽観的にすぎるきらいがある。なかなか終わらないプロジェクトを片づけるために、毎週予備の時間を取っておくようにチームを促す。そうすれば、チームの「やることリスト」(と頭の中)に余裕ができる。

・仕事量に関する透明性を高める:部下たちの仕事量について話し合い、各自が何に取り組んでいるのか理解を深めるよう努める。自分が聞いた情報を使って、チームには追加のリソースが必要なのか、業務の一部をやめるべきか考える。

邦訳:ブリジッド・シュルト「多忙による燃え尽き症候群をどうすれば防げるのか」


 ●会議を上手に進めるには、基本を忠実に守ることが何より大切だ

 頻繁な会議は時間の無駄である。焦点が定まらず、進行が下手で長すぎる。しかし、会議の進め方を改善するのは難しいことではない――基本を忠実に押さえればよい。

 まず、会議を計画する際には、その会議を設定する理由を明確にすること。頭の中に具体的な目的があれば、適切な議題をつくりやすくなる。

 次に、本当にその会議に参加する必要があるのは誰かを決める。重要な意思決定者やインフルエンサー、利害関係者を考慮すること。状況を知っているべきであっても、会議に参加する必要がない人がいる場合には、あらかじめ彼らの意見を聞いておき、終了後に報告する。会議を始める際には、目的をはっきりと示し、目の前にあるタスクに参加者の意識を向けさせる。

 進行役の役割は、参加者が結論に対して責任を感じられるようにすることである。会議が終わったら、数分間振り返りの時間を取ろう。全員が参加したと言えるだろうか。参加者の気が散っていなかったか。何がうまくいって、何がうまくいかなかったか。他の人たちの考えも聞き、振り返りの内容を踏まえて、次の会議に向けて改善を続けることだ。

邦訳:スティーブン G. ロゲルバーグ「ダメな会議から脱却する4つのステップ」


 ●建設的なフィードバックを軽く考えず、そこから何を学ぶべきか

 我々のほとんどは、批判的なフィードバックを忘れない。不快で険悪なものであり、頭の中から離れない傾向にあるからだ。かたや建設的なフィードバックは、自分の強みや成長領域を知るうえで、計り知れないほど貴重だ。

 謝意を表すカードから勤務評価に書かれた言葉、メールのコメントに至るまで、自分が受けた称賛を保存しておく(デジタルまたは物理的な)スペースをつくること。好悪入り混じったフィードバックをもらったときは、建設的なものと否定的ものに分類し、建設的なものを「称賛フォルダ」に仕舞う。そうやって保存したものを定期的に読み返し、振り返る時間を自分のカレンダーに入れるとよい。

 そして、次のように自問する。そこにどのようなパターンやテーマが見られるか。新たな状況で、自分の強みをどのように発揮できるか。自分の強みについて他にどのようなことを学ぶことができ、誰がそのための見解を与えてくれそうか。

 自分が受け取った建設的なフィードバックに浸ることは、うぬぼれているように感じて心地悪いかもしれない。しかし、こう考えてみてはどうだろうか。あなたの強みについてわざわざ光を当ててくれた人がいるのだ――だから、それを利用しない手はない。

邦訳:ローラ・モーガン・ロバーツ他「『最高の自分』を発揮するために自分の成功ストーリーを知る」


 ●あなたの部下は仕事のパーパスを実感したいと思っている

 部下たちにパーパス(目的意識)を植えつけるには、モチベーションを高めるための講話や高尚なスピーチ、ミッションステートメント以上のことが求められる。事実、やりすぎたり誠意を欠いていたりすると、コミットメントを取りつけるどころか冷ややかな反応を引き出し、逆効果になるおそれがある。

 部下たちの心を揺さぶり、積極的に関与させるために、2つのことを頭に入れておいてほしい。

 第1に、目的とは感情を伴うということだ。チームのメンバーに彼らがやっている仕事は重要だと伝えることはできても、それを各自が心の底から感じられるようにするにはどうすればいいのか。それには、彼らの仕事が持つ影響力を、実際に見てもらう方法を考えるのがよい。顧客を招いて体験談を語ってもらったり、小規模のチームを現場に派遣して顧客ニーズをみずから体験させたりする。

 第2に、純粋であることが重要――かなり重要である。パーパスをつくり出そうとする試みがあなたの過去の行動と一致していなければ、部下たちは懐疑的になり、心を揺さぶられるというよりも操られていると感じるかもしれない。パーパスの追求を1回限りのイニシアチブではなく、恒常的な取り組みにすることで、あなたが真剣に取り組んでいることを部下たちはわかってくれるだろう。

邦訳:ダン・ケーブル「チームにパーパスを植えつける3つのアプローチ」


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HBR.org原文:Our Favorite Management Tips from 2019, December 20, 2019.