●従業員や同僚を信頼することを心得ている
イッツ・ワーキング・プロジェクトでは、出産後の職場復帰を3カ月ときっちり決めずに、数カ月かけて少しずつ復帰する育児休暇制度を推奨することで、嘘偽りなく率直にケアを重視する組織文化をつくることを助言してきた。
同じことが親の介護にもいえる。従業員の親が倒れたり脳卒中を起こしたりして、介護が必要になる事態は、突然起きることが多い。こうしたニーズに対応する制度をつくる過程でわかったのは、従業員との信頼関係が非常に重要になることだ。
コロナ禍で不確実性は増しているが、筆者のインタビューで明確になったことがある。それは、「きみなら仕事をきっちりやってくれる」と上司に信頼されていると感じているビジネスパーソンは、仕事に対する満足度が最も高かったことだ。どのような方法であれ、自宅での対応が許されれば、仕事をきちんとこなすことはできる。
パンデミックが企業を強くする
今回のパンデミックを切り抜けるうえで、私たちが学んだ最も重要な教訓の一つは、ワークライフバランスはコミュニケーションや柔軟な思考、同僚とのつながり、そして相手への敬意について、真摯に取り組むことで成立するということだ。
企業がこれらに重点を置くと、すべての従業員が恩恵を受ける。企業は、従業員が自身と子ども、配偶者、高齢者をケアできる仕組みをつくることで、実のところみずからを強くし、長期的な危機に適応できるようになる。
エデルマンのマイケルは言っていた。「一番重要なのは思いやりだ。自分に対して持つのと同じ寛大さを、同僚に対しても持つことに、私たちは力を入れている」
HBR.org原文:4 Strengths of Family-Friendly Work Cultures, September 14, 2020.
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