
Charles O’Rear/Getty Images
消費者向けインターネットビジネスを取り巻く環境が劇的な変化を迎えたことで、シリコンバレーを拠点とする巨大テクノロジー企業の黄金時代は終わりを迎えつつある。急成長で高収益だが問題をはらむビジネスモデルではなく、成長性は低くてもより持続可能性が高いビジネスが評価され始めているからだ。本稿では、そうした変化の要因を明らかにするとともに、IT業界で競争する企業がこれから目指すべき方向性を具体的に示す。
シリコンバレーはこの20年間、またとない優位性による恩恵を受けてきた。米国の優位、安価な資本の偏在、スマートフォンの登場(広く普及したその他の技術革新も含む)、そしておそらく最も重要であろう寛大な規制環境が、歴史的な富と権力の集中を生み出した。シリコンバレーの巨大企業とその後続企業は、立法者や監視機関、税制とは遠く離れた場所で、やりたいようにやってきた。
しかし、それもあまり長くは続かないかもしれない。新型コロナウイルスによるロックダウンの間に、多くのIT上場企業が時価総額を急騰させた。また、パンデミックがeコマース、オンライン決済、遠隔医療、ビデオ会議の大規模な導入を加速させたものの、消費者向けインターネットビジネスの黄金時代が終わりを迎える兆しが見えている。
その背景には、主に4つの要因がある。