●公明正大を目指す
ハイブリッドチームにおけるもう一つのリスクは、「あなた自身が持つ、特定の従業員に対する先入観やバイアス」が増長されることだとデイビーは述べる。換言すると、優秀な部下は高く評価し続ける一方、否定的に見ている部下についてネガティブな観点でしか見ない傾向である。
これは人間の本質なのかもしれないが、だからといって正しいことではない。
最初に必要なのは、まず注意を払うことだとデイビーは語る。素晴らしいと思う部下のことを好意的に解釈してしまう傾向がないだろうか。自分をいら立たせる部下の必要性を割り引いて考えていないだろうか。
「チームの中で自分が不公平に扱っている人はいないか。もしいるなら、周囲の目にはどのように映っているかを自問してみることだ」とデイビーは助言する。
次に、あなた自身が1日の時間をどのように配分しているかに気を配ろう。
「誰と時間を過ごしているかを考えてみるべきだ」とヒルは言う。自分と一緒にオフィスにいる人たちだろうか。「安易なパターンに陥ってはいけない」とヒルは忠告する。
最後に、より公明正大であるように、たゆまぬ努力をしよう。チームのメンバー全員が成功できる立場にいられるような方法を考えるのだ。また、メンバーの業績評価には必ず、客観的なデータを使わなければいけない。
●燃え尽き症候群の兆候に気をつける
現在のような移行時期には、チームメンバーのストレスレベルに細心の注意を向けることが不可欠である。多くの人々がストレスを感じ、いら立ち、消耗している。それは、あなた自身も同じである。
しかし、誰かがいつもと違う行動をしているのに気づいたならば、たとえばおしゃべりで率直に物を言う人がおとなしくなっていたり、穏やかで冷静な人が短気になっていたりしたら、燃え尽き症候群の兆候を疑わなくてはならないとヒルは説明する。
そうした部下をサポートするには、具体的な措置を講じることをデイビーは勧める。たとえば、チームメンバーが「仕事が忙しすぎる」と訴えたら、何が優先事項なのかを一緒に考えるのがよい。
「優先事項が7つあったとしても、そのうち本当に重要なのは2つだけだ」とデイビーは言う。「誰かが仕事で行き詰まっていたら、1日ずつ乗り切っていけるようにサポートしよう。それでも難しい場合には、タスクごとでよい。優先事項に集中すること、そして人とのつながりを持つことが、燃え尽き症候群に効く薬である」