日々の業務を活かして、さまざまな社会的大義を支援することもできる。たとえば、以下に紹介する人々はそれぞれ、自分の仕事を通じて、新型コロナウイルス感染症への対応、地元の非営利団体の強化、家庭内暴力(DV)の犠牲者支援に貢献している。

・あるトランクルームの接客担当者は2020年3月、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で、オフィスが当面閉鎖されることを知った。彼女は休業前の数日間、高齢の顧客全員に電話をかけて、トランクルームに預けているもので必要な品があれば、何でも無料で配送すると説明した。そして、自分が帰宅する際に、運動器具や毛布、本など、顧客がロックダウンを乗り切る助けになりそうな品を届けた。

・ある会計事務所の講師は新入社員研修で、ケーススタディのレポート課題の代わりに、地元の非営利団体に無料でコンサルティングを行う実習を始めた。いまでは研修のたびに、地元の非営利組織を強化している。

・ある美容師は、何人かの顧客から家庭内暴力の被害者であることをほのめかされた後、被害者を支援するための訓練を受けた。いまでは、相手にとって一番助けになる方法で対応できるようになった。

・ある賃貸業者は、空き物件を非営利団体に貸し出し、1カ月間の近隣清掃の拠点として利用された。

 デイブを下山させてから約1年後、スキーパトロールの本部で彼が私を待っていた。そして、性差別的な発言を謝罪した。実はトムが、デイブに対して自分の偏見に気づくように促していたことがわかった。

 これこそ、仕事でパーパスを追求することの最も重要な部分だ。自分が働く組織に貢献するだけでなく、社会に対してもポジティブな影響を与えたことに満足しながら、休日を迎えることができる。


HBR.org原文:Why Your Values Belong at Work, January 21, 2021.