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善意や責任感の裏側に潜む落とし穴に注目が集まった2025年
助け合っているはずなのに、なぜ組織は疲弊していくのか。優秀な人材を集めても、なぜチームとして機能しないのか。そして、なぜリーダー自身が消耗していくのか──。
2025年が過ぎようとしているいま、DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューで公開された記事の中でも、読者の関心を集めた上位10記事を紹介する。
リーダーシップに関する議論は、スキルや理論の話に偏りがちである。しかし現場では、もっと日常的で、見過ごされやすい行動や思い込みが、組織の活力を静かに奪っている。「助けすぎる」「抱え込みすぎる」といった、リーダーの善意や責任感の裏側に潜む落とし穴に光を当てた記事が、読者の注目を浴びた。
10位 リーダーが「ありのままの自分」をさらけ出すと裏目に出る
リーダーにとって必ずしも「本音で語る」ことが、信頼につながるとは限らない。自己開示の境界線を考える記事。
9位 従業員の昇進タイミングが離職率に与える影響
昇進は報酬ではなくシグナルである。人事のタイミングの設計が、従業員から組織に対する信頼にどのような影響を与えるのかを明らかにする。
8位 優秀な人材は、自分が「重要な存在」と感じられない職場を去る
報酬や制度よりも強力な離職要因がある。人が組織に留まる心理的な条件を掘り下げて解説する。
7位 なぜあなたの部下は発言してくれないのか
沈黙は無関心の表れではない。部下が話さなくなる職場で、何が起きているのか。その構造を分析する。
6位 精神的に疲弊したリーダーが立ち直る3つの方法
リーダーの疲弊は個人の問題ではなく、組織の問題である。回復の鍵は、個人と組織、それぞれの考え方と役割の再設計にある。
5位 なぜ優秀な人材を集めても一流のチームにならないのか
才能の総和は、必ずしも最大の成果にはつながらない。チームを機能させるのは、個々のスキルではなく「相互作用」であることが明らかになっている。
4位 野中郁次郎教授が『失敗の本質』を通して伝えたかったリーダーへの教訓
2025年1月25日に逝去された一橋大学・野中郁次郎名誉教授が編著者を務めた『失敗の本質──戦場のリーダーシップ篇』(ダイヤモンド社、2012年)において、同教授がまえがきとして寄せた「失敗の本質ふたたび」の内容を掲載する。
3位 なぜ優秀なリーダーはコーチングがうまいのか
指示ではなく問いを投げることがいかに重要か。成果を出し続けるリーダーが、なぜコーチング的アプローチを選ぶのかを解説する。
2位 リーダーは部下の代わりに問題を解決してはいけない
問題解決を引き取ってしまうリーダーほど、組織の問題解決能力を低下させている。リーダーの役割とは何か。これまでのように「答えを出す人」ではない、再定義が必要である。
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1位 あなたの職場で「役に立たない助け合い」が蔓延していないか
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助け合いが生産性を高めるとは限らない。善意の行動が、学習機会や責任感を奪う「逆効果」になる構造を明らかにする。
「よいリーダー」であろうとすることが、組織を弱くすることがある
2025年に注目を集めた記事に共通しているのは、「リーダーが頑張りすぎること」への警鐘だ。助ける、答える、背負う、さらけ出す──。いずれも善意から生まれる行動だが、それが過剰になると、部下の思考や主体性、さらには組織の学習能力を奪ってしまう。重要なのは、リーダーが何をするかではなく、何をしないか、あるいはどこに線を引き、どう任せるか、である。
リーダーシップとは、前に立ち続けることではなく、他者が前に出られるスペースをつくる取り組みであり、2025年はその重要性が改めて示された。





