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自己の強みは何か
自己の強みを知るには、フィードバック分析しかない。すなわち、なすべきことを決めたり、始めたりしたならば、具体的に書き留めておくのである。そして9カ月後、1年後に、その期待と実際の結果を照らし合わせなければならない。私自身、これを50年続けており、そのたびに驚いている。
このフィードバック分析は新しい手法ではなく、14世紀にドイツの神学者が始め、その後ジャン・カルバンとイグナチウス・ロヨラが採用して弟子たちに実行させた。カルバン派やイエズス会が短期間に支配的な力を持ったのは、この手法により、仕事と成果への集中がもたらされたためである。
フィードバック分析を実行に移すと、2、3年という短期間に、自己の強みが何であるかが明らかになる。自己について知るうえで、強みを知ることこそが最も重要である。
しかも、すでに行っていることや、行っていないことのうち、自己の強みを発揮するうえでじゃまになっていることまで明らかになる。もちろん得意でないこともしかりである。まったく強みが発揮できないこと、不可能なことも明らかになる。
フィードバック分析から、いくつかの行うべきことが明らかになる。
第1は、こうして明らかになった強みに集中することである。成果を生み出すものへ、その強みを集中させなければならない。
第2は、その強みをさらに伸ばすことである。フィードバック分析は、伸ばすべきスキルや、新たに身につけるべき知識を明らかにする。知識の欠陥を教える。通常、それらの欠陥はだれでも正すことができる。数学者になるためには才能が必要だが、三角法はだれでも学べる。