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意思決定のための6つの手順
意思決定する時には、数を多くしてはならない。重要なことに集中し、基本に返って数を絞るべきである。不変のものを見抜き、個々の問題解決についてではなく、戦略的、基本的なことについて考えなければならない。
そのため、意思決定の早さを重視してはならない。あまりに多くの変わりやすい事柄をひねくり回すことは、思考の欠如を表すだけである。何についての意思決定で、何を解決しようとしているかを知るべきである。手段ではなくインパクトを、頭のよさではなく健全さを求めなければならない。
原則に基づくべきものと、それぞれの事情に基づくべきものとの峻別も求められる。重要なのは、正しい妥協と間違った妥協の違いを知ることだ。したがって、その見分け方を知らなければならない。
意思決定において最も時間を取られるのは、意思決定そのものではなく、意思決定を実行に移す段階である。現場の仕事のレベルに下ろさない限り、意思決定とはいえず、せいぜいよき意図で終わる。つまり、意思決定そのものは、高度の概念的な理解に関わるものであるのに対し、その実行のための行動は、実行する人々の能力に合わせたものでなくてはならないことを意味する。何よりも、意思決定には手順があることを知らなければならない。
意思決定は、手順さえ踏めば自動的にできるというものではない。いかなる意思決定にもリスクが伴うが、踏むべき手順を踏まなければ、適切な意思決定は望むべくもない。ここではその意思決定の手順について述べたい。
1. 問題の分類
はじめに、その問題が一般的なもので、より基本的な問題が表面化しただけにすぎないか否かを検討しなければならない。一般的な問題であれば、方針を決定して解決する必要がある。例外的な問題であれば、個別の問題として、それぞれの状況に従って解決する必要がある。