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R&Dから何の成果も生まない12の方法
R&D費はアメリカ経済の「成長部門」になっており、その金額は4年ごとに倍増している。しかし、R&D費支出が跳ね上がったからといって、研究活動も増えているだろうか。
R&D費支出はわずか10年間で40億ドルから150億ドルへと膨れ上がっている。残念ながらこの数字の大部分は、非研究活動、とりわけ研究支援費の増大を示しているにすぎない。つまり、事務員や報告書の作成者、大がかりだがほとんど無益な詳細説明、新しい建物、複雑な装置に費やされているのである。
本来ならばR&D費こそ最も効果的かつ有益な企業支出であるべきだが、実際はそうなっていない。この事実は、多くのアメリカ企業における研究事業の扱い方に何か大きな問題があることを示唆している。
R&Dマネジメントにまつわる妄説は12もある。どの妄説も一流の研究者や研究グループの生産力を損なうものであり、経営幹部ならば必ず心得ていなければならない。
(1)研究プロジェクトが多いほど、得られる研究成果は大きい。
この最初の妄説は、産業界にかなり浸透している。私が知っている企業にも、有能な研究員の数の10倍もの研究プロジェクトを進めているところがかなりある。
しかし、プロジェクト数を研究員数よりずっと減らさない限り、「プロジェクト過多症」が蔓延し、身動きが取れなくなってしまうことは想像に難くない。プロジェクト1件に対し研究員5人、いや10人程度にするのが妥当であろう。さもなければ、研究陣は何に手をつけるべきか話し合うミーティングを開くだけで手一杯となり、本当の仕事に着手することなど、とてもできない。