いま企業のリーダーができること

 コロナ危機が始まってから半年あまり。コロナ禍がもたらす経済的な結果がどうなるかは、いまも当初と同様に不透明だ。むしろ、かえって不透明感を増していると言えるかもしれない。

 以下では、コロナ禍の次の段階に備えて、現時点で企業のリーダーができることをいくつか挙げてみたい。

・一歩立ち止まり、状況を再確認する:感染の拡大が抑制されて、経済活動が再開され始めたいま、(現在までの成功の度合いはまちまちだろうが)状況を再確認しておくべきだろう。その際は、マクロな状況だけでなく、自社の属する業種や業界などミクロな状況にも目を向け、その状況に応じて資源配分のあり方を適切に変更すべきだ。

・レジリエンスをはぐくむ:さまざまな未来の可能性に対して積極的に備えるために、選択肢を確保しておこう。未来に向けた道を1つに絞り込み、その道にすべて賭けたいと思うかもしれない。しかし、これまで思い知らされてきたように、新型コロナウイルスは思いがけない事態を引き起こす。世界がどのように動いていて、誰が勝者になりそうかという点について、慎重に考え抜かれた想定もしばしば覆されてきたのだ。

・強みを活かす:企業のリーダーがもう1つ頭に入れておくべきことがある。それは、企業の戦略が目指すべきなのはトレンドと平均を上回る成果を上げることである、という点だ。企業ごとの状況の違いが大きければ大きいほど、自社のことをよく理解し、自社の強みを活かせる企業にとって、傑出した結果を上げるチャンスは大きく広がる。


HBR.org原文:Taking Stock of the Covid-19 Recession, August 14, 2020.


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