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年金基金の発展
アメリカでは現在、国内最大級の20の年金基金が、上場企業の株式資本のおよそ10分の1を保有している。総計すると、機関投資家、すなわち主に年金基金がこの国の大企業(および多くの中規模企業)の普通株式のほぼ40%を支配していることになる。
急成長を遂げている最大規模の基金である公務員年金基金は、もはや受け身の投資家に甘んじてはいない。彼らは次第に、投資先企業において、取締役の任用や役員報酬、会社定款の重要条項に反対する拒否権をはじめとする発言権を求めるようになっている。
同じく重要でありながら、いまだに見過ごされがちなのは、年金基金が株式だけでなく、アメリカの大企業の中長期債務の約40%を保有しているという事実である。
つまり、年金基金がアメリカ企業の最大の所有者でかつ、最大の債権者にもなっている。金融の教科書では昔から強調されていることだが、債権者の力は所有者の力に劣らないばかりか、それを凌ぐことすらある。