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仕事の変化、キャリアと組織の変化
HBR(以下色文字):これからの仕事の仕方はどう変わるのでしょうか。
ピーター F. ドラッカー(以下略):命令できず、命令もされないという状況でマネジメントすることを身につけなければならなくなります。これは恐ろしく根源的な変化です。
経営書は、まだ部下の管理の仕方を論じています。しかし、もはや部下が何人いるかは問題ではありません。仕事の複雑さ、仕事で使う情報、仕事がつくる情報、仕事に伴う多様な関係に比べるならば、ほとんど意味のないことです。新聞は、親会社と子会社の関係について書いています。これも1950年代、60年代の問題です。今日では、海外に子会社を持つだけという多国籍企業はなくなっています。
これまで会社は、みずから事業を始めるか、だれかが始めた事業を買収するか、いずれかによって成長してきました。いずれの場合も、そこには命令権がありました。
ところが今日、会社は提携関係によって成長しています。このことが理解されていません。そのため、みずから資源を所有し、みずから市場を支配しないと気の済まない従来型の人たちがとまどっています。
したがって、仕事をしてくれるが、雇っているわけではないという人たちと仕事ができなければなりません。
たとえば、仕事をアウトソーシングするようになります。その道でトップまで昇進していけないような仕事は、すべて外部に委託しなければなりません。生産性を向上させるには、その仕事でトップまで昇進できる会社に委託しなければなりません。アウトソーシングは、節約の問題ではなく、仕事の本質に関わる問題なのです。