深刻化する医療サービスの低下

 アメリカの医療制度の下では、医療技術が十分に発揮されていないことが多い。満足に治療を受けられない人が大勢いるばかりか、治療によってむしろ悪化することさえある。

 インスティテュート・オブ・メディシンの調査によると、アメリカの病院では、毎年9万8000人もの患者が医療ミスで死亡し、ほぼ同数が院内感染で死亡しているという調査結果がある。

 世界最先端の医学を誇る国で、なぜこのようなことになっているのだろうか。規制や市場の機能不全にアメリカの医療問題の原因があると考える政治家や経営学者は多い。