ウェブ・サービス・アーキテクチャーの登場

 これまで、自社専用の情報システムを抱えるのが当たり前とされてきた。独自のハードを購入またはリースし、専用アプリケーションを設計するかライセンス供与を受け、多くの運用・保守スタッフを雇い入れる。

 このやり方でいちおう機能してはきたが、満足のいくものではなかった。何年にもわたって小刻みにITを導入してきたために、各部門に互換性のないシステムが混在するという事態に陥った。

 ここ10年、複数のデータ・ストレージを一つにまとめようと、大企業の多くが、時には数億ドルという巨額投資を行い、きわめて複雑なERP(統合基幹業務システム)を導入してきた。