「ガラスの天井」は大きな問題ではない

 女性の社会進出が始まって久しい。アメリカでは、マネジャー層の40%以上を女性が占めるに至っているが、執行役員クラスに目を転じると、女性は皆無に近い。

 たとえば「フォーチュン500」の会長、社長、CEO、COOなど、きわめて高額の報酬を得ている層では、女性の比率はわずか6%である。CEOに限ると何と2%、取締役全体では15%である。

 1986年、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は、こう喝破した。「出世の階段を着実に上ってきた女性も、やがて目に見えないバリアにぶつかる。経営陣の座まではあと少しなのに、どうしてもこの『ガラスの天井』を破れない」