『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』(DHBR)では毎月、さまざまな特集を実施しています。本稿では、DHBR2022年5月号特集2「これからの危機管理」への理解をさらに深めていただけるよう、関連する過去の論文をご紹介します。

 DHBR2022年5月号特集2は「これからの危機管理」。不安定で不確実な世界における危機管理のあり方を考える。

 気候変動、グローバル化、格差拡大……長期的な流れの一つひとつが深刻な危機を招くのみならず、その3つが重なれば問題はさらに増大する。新型コロナウイルスのパンデミックは医療危機であるだけでなく、経済的・政治的な危機でもある。こうした異常事態にあって、これまで企業が頼りにしてきた危機対応策はもはや通用しない。

 そんな中、一部の企業は、絶え間ない危機によってもたらされた不確実性をマネジメントする術を習得し、磨きをかけている。アメリカン大学シャルジャ校准教授のジョン E. キャソス氏らによる「混迷する世界で生き残るための新たな危機管理法」では、成功のカギを握る3つのヒントを提示する。

 新型コロナウイルスによるパンデミックの経験は、企業にとって今後の危機への備えとして役に立つのだろうか。ワーキング・スルー・バイオレンス研究チームによる「企業と地域社会の関係はパンデミックでどう変化したか」で紹介する調査は、ダイナミックな成長を遂げつつも、もろさを抱えた7都市──コロンビアのボゴタ、レバノンのベイルート、南アフリカのケープタウン、ベネズエラのカラカスなど──で約8万人を対象に実施され、危機下の課題や考え方、変化について尋ねた。この調査結果は政治・社会的に不安定な環境にあるマネジャーに役に立つものとなるだろう。

 近年、危機的状況が頻発し、危機に向き合うことが常態化しつつある。しかし、あらかじめそのような事態に備え、切り抜けている企業は一握りにすぎない。アフガニスタンで設立され、ドバイに拠点を置く民間企業のコミッテッド・トゥ・グッド(CTG)は、人道支援コミュニティへの人材派遣やロジスティックス提供を行っている。

「危機を乗り越える組織には英雄に頼らない文化がある」では同社代表アリス・ラーファーに、危機的状況下での仕事を通じて不確実性について学んだこと、そして危機管理リーダーシップをこれから学ぼうとする経営者にとって、それがどのように役立つかを聞く。

 今日の不安定で不確実な世界において、企業はこれからも多くの危機に見舞われる可能性が高い。そのような危機に耐え、力強く再起するために重要なのが、レジリエンスだ。

「不確実性の時代に持続的成長を実現する6つの力」の筆者の一人で、ユニリーバの元CEOであるポール・ポールマンは、同社のレジリエンスを高めることで、気候変動や敵対的買収などのさまざまな危機から組織を守った。本稿では、突然の衝撃や長期的な危機に備え、将来の成長につなげるために、ユニリーバが生み出した6つのタイプのレジリエンスを紹介する。