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自問自答の重要性
だれでも社会人になりたての頃は、先輩たちからあれこれ指導を受けたり、後押しされたりする。だれかにたえず見守られ、コーチングやメンタリングを受ける。しかし、昇進していくにつれて、忌憚のないアドバイスをしてくれる人は減っていき、ある時点を過ぎると、何事もおのれの裁量で処理しなければならない。
本稿では、リーダーたちが定期的に自問自答すべき7つの質問について説明する。この質問には、正しい答えがあるわけではない。いつでも、どんな幹部にも質問のすべてがしっくりくるわけでもないし、このすべてに答えを出せということでもない。仕事から一歩離れ、重要な問いに答える時間を設けることで、自分のパフォーマンスを改善し、深刻なビジネス上の問題が生じるのを未然に防げるのだ。
「ビジョンと優先課題」について
驚くべきことだが、企業リーダーは、次のように自問するのを怠りがちだ。
「どれくらいの頻度でビジョンを伝えているか。何がビジョンであり、何が優先課題なのかと問われて、部下たちは答えられるか」
残念なことに、日々の業務に追われて、ビジョンを組織に浸透できていないケースがまことに多い。特に問題なのは、事業を推進するうえで何をすべきなのか、部下たちが理解できるようにビジョンを伝えていないことである。どこに向かっているのか、何が期待されているのかがわからなければ、部下たちはついていきようがない。
社員たちは会社がどこに向かっているのか、自分たちは何に集中すべきなのかについて知りたがっている。また環境の変化に伴い、ビジョンや優先課題がどのように変わるのかについても知っておきたい。
マネジャーたちは、率先して部下たちとコミュニケーションを図るように指示されているが、概して意図に反して、不十分か、ビジョンを優先課題に具体化できないかのどちらかである。
リーダーには、部下たちが理解して行動できるように、ビジョンをしかるべき数の優先課題に具体化する責任を負っている。ビジョンと優先課題を伝えることを怠ると、時間にも効率にもツケが回ってくる。部下たちが全体像を把握していなければ、権限委譲もままならない。その結果、自分が仕事を抱え込むはめになる。
「タイム・マネジメント」について
自問自答すべき次の質問はまことに単純であり、かつビジョンと優先課題に関する質問と密接に関連している。