『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』(DHBR)では毎月、さまざまな特集を実施しています。本稿では、DHBR2022年9月号特集「チームを成長させる『世代』の力」への理解をさらに深めていただけるよう、関連する過去の論文をご紹介します。

 DHBR2022年9月号特集は「チームを成長させる『世代』の力」。沈黙の世代からZ世代まで、5つの世代が同じ組織で働く時代が到来した。その結果、世代間の緊張が高まり、世代にまつわるステレオタイプが軋轢も生むケースも少なくない。職場から年齢差別をなくし、多様な世代が共存することで、組織として価値を創出する方法を探る。

 世代間対立はいまに始まったことではないが、現在では5つの世代(沈黙の世代、ベビーブーム世代、X世代、ミレニアル世代、Z世代)が一つの組織で働くようになり、その緊張がかつてなく高まっている。この問題を放置すれば、離職率の上昇を招いたり、チームの業績を低迷させたりするリスクをはらんでいるにもかかわらず、真剣な対策に乗り出した企業はほとんどない。

 マイアミ大学ファーマースクール・オブ・ビジネス教授のメーガン W.ゲルハートらによる「エイジダイバーシティの価値を最大限に引き出す方法」では、世代間の分断を乗り越えて、エイジダイバーシティ(年齢の多様性)の価値を引き出すために、企業リーダーが実践すべき4つの取り組みを紹介する。

 年上の同僚から粗末な扱いを受けたり、年下の同僚が失礼な態度を取ったりした時、世代の違いが問題を引き起こしていると考えていないだろうか。

「ベビーブーム世代の考え方は現実離れしていて傲慢」「ミレニアル世代は権利ばかりを主張する」といった通説を裏付ける証拠は乏しいにもかかわらず、従業員はこのようなステレオタイプに囚われやすく、結果として職場の世代間対立が助長される。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』寄稿編集者のエイミー・ギャロによる「職場の世代間対立をどうすれば解消できるか」では、世代という枠組みで相手を判断することなく、同僚と良好な関係性を築くための7つの方法を紹介する。

 新しい価値観を持つZ世代が、職場に加わり始めた。企業は職場における世代間のギャップを埋め、社員同士の信頼関係を築くのに苦心している。また、若い世代の顧客への対応など、新たな課題も抱えている。

 これらを解決するために、IMD教授のジェニファー・ジョーダンらによる「若手の視点を経営戦略に取り入れる4つのステップ」では「影の取締役会」(シャドーボード)の設置を提唱する。

 影の取締役会とは、経営幹部とともに戦略的な取り組みを行う、非管理職の若手社員グループである。これを設置することで、戦略に若手の視点を取り入れることができる。さらに経営陣と若手社員が対話できる場が生まれることで、社員の相互理解へとつながっていく。

 ミレニアル世代は「怠惰」、Z世代は「ワークライフバランスを重視」といった、各世代に関する通説は広く受け入れられている。これらのステレオタイプに基づいて、業務プロセスを変えたり、制度設計をしたりする事例も見られるが、成功しているとは言いがたい。

 このような現実があるにもかかわらず、職場からステレオタイプが一掃されないのはなぜか。コンテンツクリエイターのクリスティ・デポールらによる「世代にまつわる偏見がなくならない理由」では、その原因を述べたうえで、従業員が必要とする制度や支援を設計するために、「世代」の代わりに重視すべきことを解説する。

 労働者の高齢化が進行している。かつて考えられていた退職年齢をはるかに超えて多くの人が働くようになり、2024年には米国の労働力人口の25%近くが55歳以上になるといわれる。高年齢労働者は最も急速に増加している層であり、職場で大きな役割を担っているが、彼らに対するエイジズム(年齢差別)は職場や労働市場に根強く残っている。

 スタンフォード大学経営大学院講師のスーザン・ウィルナー・ゴールデンによる「シニア人材が企業を支える時代」では、高年齢労働者に対する差別を助長するような2つの定説を紹介し、それらを打ち破る根拠と、彼らシニア人材を活かす企業の取り組みを紹介する。

 エイジズム(年齢差別)は、あらゆる職場で根強く残っている。労働者の約65%が年齢に基づく差別を経験したことがある、という調査結果も存在する。マネジャーはこのようなエイジズムを認識し、戦っていかなければならない。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』エディトリアル・オーディエンス・ディレクターのニコル D. スミスによる「エイジズムを克服するためにマネジャーは何をすべきか」では、エイジズムのある職場でマネジャーとして働いてきた筆者が、自身の経験を交えながら、年齢に対する偏見を克服する方法について紹介する。