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いま再び注目すべき「バリュー・フォー・マネー」
不況は、業界力学を一変させる。
賢い企業は、不況を脅威と見つつも、ビジネスチャンスとも見ている。そのような企業は、それぞれ異なるやり方で逆境を生かしたが、一つだけ共通点がある。不況時に、「バリュー・フォー・マネー」戦略を展開したことだ。すなわち、不況に苦しむ消費者が節約できるように、これまでと同じ金額で、あるいはより少額で、さらには破格の金額で、よりよい製品やサービスを提供することで、成長したのである。
バリュー・フォー・マネーが、戦略上、再び求められている。それは、必ずしも不況だからというだけではない。
先進国では、過去10年間、世帯所得が増加しているが、その恩恵に浴したのは上位2割の高額所得者だけであり、ほとんどの世帯の購買力は、頭打ち、もしくは低下している。
また、新興国の消費者はいまも昔も、価値に敏感である。その多くは、近年になって一般消費者の仲間入りをした人たちであり、可処分所得が小さい。
その一方、中国やインドの上流階級や中産階級の消費者たちが、その上昇志向を満たし、インフレに対処するには、限られた収入のなかで精一杯背伸びしなければならない。新興国で法人顧客はみな、低コストによって競争優位を実現しているため、機器やサービスを購入するに当たって、常にそれに見合う価値を求める。