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ゲーム理論では敵の出方は予想できない
ビジネス・リーダーであればだれでも、自社の行動にライバルがどのように反応してくるのかを予想することが、戦略上の意思決定において決定的な要因であると述べるのではないか。しかし、ライバルの出方について、どれくらい真剣に研究しているかと問われれば、たぶん答えに窮することだろう。
これは、ライバルの行動を説明するフレームワーク、すなわちゲーム理論を現実の世界に当てはめてみても、思うようにいかないからである。
まずゲーム理論は、すべての参加者がゲーム理論の基本原則に従うことを前提としている。そもそもこのような前提がおかしい。しかも、ライバルがさまざまな選択肢を持っている時もあれば、ライバルがどのような基準で選択肢を評価するのかわからない時もあるし、ライバルが多数存在し、それぞれの反応が異なる時もある。このような場合、ゲーム理論のモデルは役に立たない。