4つの価格シグナル

 小売店は、ある商品が割高なのか割安なのかについて、時にはさりげなく、時には露骨にシグナルを発している。

 本稿では、小売企業が用いるさまざまな価格シグナルを検討し、なぜこれが奏功するのか、いかなる効果があるのかについて、論じていきたい。ここで扱う価格シグナル、たとえば「セール表示」や「9で終わる値段」などは、いずれもマーケティング手法としてありふれたものである。

 とはいえ、これらをうまく活用すれば、顧客の信用を集めると同時に、商品やサービスを購入させる有効な手段となる。ただしその方法がまずいと、逆に信用を失い、ブランドの力を弱めるばかりか、訴訟すら招きかねない。