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コミュニティ・マーケティングに関する
イーベイとの共同実験
イタリアのオートバイ・メーカー、ドゥカティは、広告から製品デザイン、マーケティングのあらゆる分野にまで、顧客の意見を取り入れている。
ロシアのカメラ・メーカー、ロモは、世界中の顧客を対象に愛好家コミュニティを運営し、画像アーカイブの作成はもとより、スナップ写真の一対一勝負を呼びかけ、「ロモリンピック」という写真コンテストを主催している。
コミュニティ・ビジネスの先駆けとなったイーベイは、メンバー向けの掲示板、クラブ、チャット・ルームなど、何十もの交流の場をインターネット上で提供している。
このようなコミュニティ・マーケティングが大流行しているが、その効果のほどはいかがなものだろうか。我々はこれを解明するために、イーベイ・ドイツ経営陣の協力を得て、14万120人のイーベイ顧客を対象に、1年間にわたって実地検証を行った。
これらの顧客全員、過去3カ月間に同サイトで取引実績のあるアクティブ・ユーザーだが、イーベイのオンライン・コミュニティへの参加経験はなかった。
2005年5月初旬、この集団のなかから7万9242人を無作為に抽出し、イーベイの顧客コミュニティに招待するeメールを送付した。参加を促すために〈iPod〉など、総額約3000ユーロ相当の賞品を用意した。したがって、コミュニティに招待しなかった残り6万878人は、「対照群」(実験群と比較するための集団。「非運動群」ともいう)としての役割を果たすことになる。